“相続”と登記のお話

今回は”相続”と”登記”に関するお話になります。

お盆の時期、実家に帰って、久しぶりにご家族と時間を過ごされた方も多いのではないでしょうか。
そして、大切な方を偲んでいるとき、ご自身やご家族の今後のことを考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、みんなお元気で、家族仲良く暮らしてくことができているのが一番だと思います。

しかし、残念ながら人が亡くなってしまった場合には、「相続」が発生することとなり、相続人の方はいろいろと手続きをすることになります。
亡くなられた方の財産などが相続人の方に引き継がれることになるからです。
「終活」という言葉が聞かれるようになってからしばらく経ちますが、亡くなられた方があらかじめその時のことを考えて準備しておくと相続人の方が手続きをする際に迷うことが少なくなり、手続きを進めやすくなると思われます。

さて、「相続」で引き継がれるものの中に、土地や建物が含まれていることがあります。
土地や建物は、「登記」という公式な記録によって、だれが持っていて、どんな権利関係になっているかが分かるようになっています。
しかし、土地や建物の登記の手続きをすることは、記録されている内容が変わっても、一部分を除いては義務ではないのが現状で、情報が長期間更新されていないものも多く存在します。
(やっていないと不利益を受けるおそれが高まるので、特に住宅ローンを利用して売買をするケースではほぼ必ずしていると思います。)

令和6年4月1日、登記のこれまで義務ではなかった部分について、義務化されるものがあります。
持ち主として記録されていた方が亡くなったときにする「相続登記」です。
登記をするまでの期間も決められていて、
(細かいルールは省略しますが)その土地や建物を相続したことを知った日と令和6年4月1日を比較して、遅い方から3年でやってください、ということになっています。
やらないと、過料という罰金のようなペナルティも用意されています。

なぜ義務化されることになったのかといえば、
(今まで登記が義務ではなかったので)長い間登記がされていない土地や建物がたくさんあることによって、いろいろと支障があるからです。
例えば、土地の売買をしたいと思ったとき、通常であれば公的な記録である登記を確認して、売主=持ち主であることを確認します。
しかし、登記がされていなければ、本当にその人が持ち主なのかわからず、取引できないという事態になります。

だから、登記という記録を常に最新の情報に更新することで、その土地や建物の権利関係をいつでも確認できるようしておくことが大切なのです。

義務化されることで、相続登記は相続人の方にとっては見落とせないものの一つになりますが、手続きをすることによって重要な財産である土地や建物の権利関係を明らかにして、自分の財産であることを証明できることにつながります。
お盆を機会に、相続登記についても知っていただくといいなと思います。

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